
1945年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科修士課程終了。
1970年法務省に入省。入国管理局入国在留課長、名古屋入国管理局長、 東京入国管理局長などを歴任。2005年3月退官。外国人政策研究所所長を務める。
- 著書 -
・「今後の出入国管理行政のあり方について」(日本加除出版)
・「在日韓国・朝鮮人政策論の展開」(日本加除出版)
・「出入国管理及び難民認定法逐条解説」(日本加除出版)
・「日本の外国人政策の構想」(日本加除出版)
・「入管戦記」(講談社)
・「移民国家ニッポン」(日本加除出版)
北朝鮮帰国運動により、1959年から1984年にかけて9万3000人の人たちが北朝鮮に渡りました。
その中には6800人の日本人も含まれていました。北朝鮮に入国した人たちは「地上の地獄」と言わざるを得ない状況に直面しました。
そこには想像もつかない差別と迫害が待っていたのです。しかも、帰国者には一切の出国の自由がありませんでした。厳しい監視の下に置かれ、
日本に再び戻る道は完全に閉ざされてしまいました。
私は行政官として、35年間、在日コリアン問題に取り組んできました。在日コリアンの法的地位の安定など、
かなりの点については解決されました。しかし、残された大きな問題があります。それは北朝鮮帰国者の問題です。
私は、この問題の解決なくして在日コリアン問題の完全な解決はないと考えています。2005年の3月をもって役人生活を終えましたが、
この北朝鮮帰国者問題の解決のため、2005年5月23日に「脱北帰国者支援機構」を設立した次第です。
北朝鮮帰国事業は、総体として見れば、北朝鮮政府による「壮大な拉致・監禁」であり、
北朝鮮に渡った人たちの一生を台無しにしたのだということを我々は肝に銘じなければなりません。
そのような帰国者の中から、1996年以降、脱北して中国などに留まり、そこから日本に帰ってきた人たちが増えており、
今や150人を超える数に達しています。北朝鮮帰国者は、難民条約に定める「難民」に該当することは明らかですが、
実際には、難民条約が規定する以上の迫害を北朝鮮政府から受けた人たちです。私たちは、日本に戻って来る北朝鮮帰国者の問題を難民問題・
人道問題としてとらえて庇護することが重要です。
「脱北帰国者支援機構」設立の目的のひとつは、日本に戻ってきた帰国者に対し、日本語学習や就職先の世話などの自立支援を行うことです。
日本に戻った人たちが日本社会から温かく迎えられて幸せに暮らしていることは、日本に帰りたいと願っている人たちに伝わり、夢と希望を与えるものとなります。
もうひとつの目的は、親族を人質に取られた在日コリアンの怒りの声に耳を傾けることです。
この人たちはまさしく帰国運動の犠牲者です。この機構の設立を契機に、多くの人たちが怒りの声を上げてほしいと希望します。
国家的な詐欺により9万3000人が北朝鮮に向け出国し、祖国で迫害を受けた人たちが次々と元いた日本に戻って来るという異常事態は、現代史に例がありません。
北朝鮮帰国者問題はもうひとつの拉致事件です。私は、同士のみなさんとともに、北朝鮮帰国者問題に挑みます。
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